液晶自作キット

液晶自作キット †

DELLの液晶モニタが壊れました。液晶パネル自体に損傷はなく、中の基盤が壊れたようだったので、aitendo's電子工房のキットと入れ替えて修理しました。 ⇒ 関連日記

液晶 †

壊れた液晶は以下の2台です。どちらも17インチのSXGA(1280×1024)です。カッコ内は液晶パネルの型番です。分解して確認しました。

1. DELL E171FP (SAMSUNG LTM170EU-L01)
2. DELL E173FPc (SAMSUNG LTM170EU-L11)

分解するにはネジを外した後、隙間にマイナスドライバーを突っ込んでツメをパキパキと外していきます。初めてで要領が分からずに手探りでやったのでかなり苦戦しました。

液晶パネル †

どちらもSAMSUNGのLTM170EU系です。枝番が違いますが、どちらもコネクタの仕様は同じなので、同じデータシートを参照すれば良いようです。

仕様 †

データシートを入手して仕様を確認します。これはメイン基盤の選定や設定に必要な情報です。

• LVDS 2ch 8bit（メイン基盤の選定に必要）
  • SXGA(1280×1024)のパネルは大抵この規格のようです。
• 電圧: 5V（メイン基盤のディップスイッチで設定）
• コネクタ: JAE FI-X30S-HF（信号ケーブルの選定に必要）

購入部品 †

データが揃ったので部品を購入します。価格は購入当時のものです。今回は2台だったので、以下を2セット購入しました。

• メイン基盤 + インバータ + 電源 + 接続ケーブル等

ケーブル †

ケーブルは半成品のため、データシートを見て配線します。

液晶パネル †

メイン基盤 †

並べ替え †

液晶側のコネクタは固定されているので、メイン基盤側の配線を並べ替えます。

メイン基盤のピンの配列に合わせてケーブルの色を付記した図です。向きは下の写真と同じです。

接続状況 †

液晶パネル側	メイン基盤側
右側が1番ピン	左下が1番ピン

インバータ †

バックライト用の変圧器です。

接続状況 †

全体

拡大 1	拡大 2

動作テスト †

配線をつないだ後、組み立てる前に動作テストを行いました。特に問題ないようです。

配線状況	動作テスト

組み立て †

元のケースに収めて組み立てました。アナログ入力は元のポートの位置に収まりましたが、ACアダプタと操作パネルの形状は異なります。とりあえず使えれば構わないので、電源の口から出して適当に貼り付けました。

操作パネル	完成

感想 †

組み立てが完了して、無事に使えるようになりました。映りは鮮明で特に問題はない水準です。

色々なマシンにつないでみました。単体で使う分には問題はなかったのですが、デュアルディスプレイで使おうとすると相性問題が出ることがありました。詳細は不明ですが、デュアルの場合は動作環境がシビアになって、何かひっかかるのかもしれません。デュアルでも問題なく使えるマシンもあったので、現在はそのマシンで使っています。

パソコンの自作よりも難易度はかなり高いと思いました。どんな情報が必要で、どんな部品を集めるのか、まずその辺の基本的な情報から少ないです。今回は見切り発車だったため、足りない部品を何度か買い足すことになりました。

2008年4月現在、17インチは中古が1万円で、新品が2万円で買えるので、それと比べても今回はそれほど安く仕上がったわけではありません。ですが壊れた液晶を捨てるとリサイクル料金が掛かるため、それを含めて考えると妥当な金額に収まると思います。

実用本位の再生修理ということよりも、工作として楽しんだり、物は試しで経験を積むなど、作業自体を目的にするのであれば面白いと思います。